「デンタルフロスってどれも一緒」と思っていませんか。デンタルフロスには、さまざまなタイプがあり、歯並びや使いやすさによって選ぶものが異なります。種類の違いが分からないと、どれを選べばよいのか迷いますよね。
今回は、オーラルケアアドバイザーがデンタルフロスの使い方や種類、選び方、おすすめのデンタルフロス10選を紹介します。
デンタルフロスを使用することで歯垢の除去率がアップするため、ぜひ自分に合うデンタルフロスを見つけて大切な歯を守っていきましょう。
私が全商品を実際に試して執筆しました
本記事の編集体制
※本記事に掲載している商品は、全商品全て編集部で購入した上で、レビューしています。専門家/編集者/企画者/管理者の意思によって選定しています。なお、商品情報については、記事公開時のものになります。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があるため、最新の価格や商品詳細については各販売店やメーカーにてご確認ください。詳しくは媒体概要をご覧ください。
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更新情報
・「デンタルフロスにおすすめの10品をオーラルケアアドバイザーが実際に試してランキング|種類や選び方を解説」を公開しました。:2024年4月7日(月)
・よりわかりやすく伝えるために、図解を制作し挿入しました。:2024年5月2日(木)
デンタルフロスで歯垢除去率がアップ?使い方も解説
むし歯や歯周病の原因になる細菌の塊「歯垢(プラーク)」。歯ブラシだけで歯磨きを行った場合の歯垢除去率は6割程度※と言われています。そのため、歯ブラシだけで歯を健康に保つことは難しいでしょう。そこで必要となってくるのが「デンタルフロス」です。
デンタルフロスは歯と歯の間を清掃するもので、歯垢を効率よく取り除きます。デンタルフロスを併用することで、8割以上※の歯垢を除去できるとされています。
【使用方法】
使用する際は、ゆっくり横に動かしながら歯と歯の間にデンタルフロスを入れて、上下に動かすことで歯垢を除去します。歯垢を取り除いたら、ゆっくり横に動かしながら歯と歯の間からデンタルフロスを取り出しましょう。
【使用頻度】
最低でも1日1回は使用しましょう。就寝中は唾液の分泌量が減り、むし歯菌や歯周病菌が活発になるため、特に就寝前に行うのがおすすめです。
毎食後に歯磨きとデンタルフロスをしています。歯磨きをした後にデンタルフロスをして食べ残しが付くのを見ると、やはり歯磨きだけで歯の間の汚れまで取り除くのは限界があると実感します。
※ 歯間ブラシの歯間部のプラーク除去率(日歯保存誌、48,272(2005年))
購入前に知っておこう!デンタルフロスの種類
デンタルフロスは「ロールタイプ」と「ホルダータイプ」の2種類があります。また、糸の素材もさまざまです。それぞれの特徴や向いている歯並び、使用感について見ていきましょう。
ロールタイプ/ホルダータイプ
ロールタイプ
糸を40〜50cm程の長さに切って、中指に巻き付けて使用するデンタルフロスです。歯並びが悪い人や詰め物、被せ物がある人は、ロールタイプが使用しやすいでしょう。
ホルダータイプに比べてコストパフォーマンスがよく、持ち運びしやすいのが特徴です。ただし、慣れるまでは外出先で使用するのは難しいかもしれません。
ホルダータイプ
プラスチック製の柄に糸がセットされており、片手で手軽に使用することができるタイプです。初めてデンタルフロスを使用する人に向いています。
ホルダータイプは「F字型」と「Y字型」に分かれており、前歯にはF字型、奥歯にはY字型が使用しやすいです。
糸の素材
ナイロン製
摩擦力が高く、汚れをしっかり取り除きます
ポリエステル製
ナイロン製より柔らかく、痛みを感じやすい人に向いています
ポリエチレン製
強度があるため、歯と歯の間が狭い人に向いています
ワックス有り無し
ワックス有り
すべりがよく、初めて使用する人に向いています。清掃性はワックス無しに劣ります。
ワックス無し
すべりがないため慣れるまで時間がかかりますが、繊維が広がり、歯垢を絡め取るので、しっかり歯垢を除去したい人に向いています。
私はロールタイプを使っています。慣れもあるかもしれませんが、個人的にはロールタイプの方が角度を自由に動かせる気がします。
フロスの選び方
デンタルフロスの選び方を紹介します。
初心者向け
デンタルフロスを初めて使用する人は、ナイロン製のワックス有りの商品を選択しましょう。また、使いやすいホルダータイプから始めるのがおすすめです。
歯並びが悪い方や矯正治療中
歯並びが悪い人や矯正治療中の人は、ロールタイプが向いています。ホルダータイプだと矯正の装置がじゃまをして、歯と歯の間に糸を挿入することができません。
また、ロールタイプは自分で糸の長さや角度を変えられるため、歯並びが悪くても清掃しやすいです。特に歯が重なり合ったり、ねじれたりしている部分には、ワックス有りがおすすめです。
子ども
デンタルフロスは大人になってからでなく、子どもの頃から使用するのが望ましいです。なぜなら、2〜3歳頃になるとすべての乳歯が生えそろうため、歯と歯の間が狭くなり、歯ブラシだけでは歯垢除去率が低くなる可能性があるからです。
子どものうちは、フレーバーがついているデンタルフロスが使いやすいでしょう。また子どもは口を大きく開けられないため、ホルダータイプが適しています。
大人になってからデンタルフロスを使い始めましたが、今では毎回食後にしないと気持ちが悪く感じます。1日に何度も使うものだからこそ、自分に合ったものだとストレスが少なくなりますね。
デンタルフロスのおすすめ10商品
ここからはオーラルケアアドバイザーである筆者がおすすめのデンタルフロス10商品をご紹介します。
本記事で紹介する商品一覧
1位:【ワックス有】GC ルシェロフロスミントワックス
商品情報
専門家による総評
- 歯と歯の間にスムーズに挿入できるワックス有りのタイプで、歯間が狭い部分でも力を入れずに清掃することができます。ワックス有りのタイプですが、糸の断面が鋭いエッジのあるくさび状になっているため、歯垢をしっかりかき取ります。ワックス無しに劣らない清掃性があります。
- デンタルフロスを取り出す際に容器の中で引っかかることがなく、取り出したい長さをサッと調整できるのも嬉しいポイントです。爽やかなミントのフレーバーのため、清掃後は口の中がさっぱりします。
- エッジのあるくさび状の断面があるためか、上下にフロスを動かす際にザラつきが気になるかもしれません。歯間がきつ過ぎる部分や、被せ物に残った余分なセメントがある部分はデンタルフロスが切れてしまうこともあるので、力を入れ過ぎないように動かしましょう。
プロの一言
編集部によるコメント
ワックスつきなので初心者の人も使いやすそうです。
2位:【ワックス有】ブラシモ(Brushmo) BBフロス
商品情報
専門家による総評
- デンタルフロスが黒色のため、歯垢が除去できているのか一目で分かるのがうれしいポイントです。デンタルフロスでしっかり汚れを落とせているのか不安な人や、初めてロールタイプのデンタルフロスを使用する人に向いています。
- パッケージの後ろを見ると、デンタルフロスの残量が分かるため、買い足すタイミングが事前に把握できます。パッケージ内では平たくコンパクトにまとまっていますが、歯間に入れると384本の繊維が広がるため、細かな歯垢も逃しません。
- パッケージの蓋は片手でも楽に開閉できますが、長期にわたり使用すると本体と蓋をつなぐ部分や、本体自体が割れてしまう可能性があります。持ち運ぶ際はパッケージが壊れないよう、ポーチなどに入れておくとよいでしょう。
プロの一言
編集部によるコメント
コンパクトなのでポーチに入れて持ち運びしやすそうです。ミントのフレーバーで、フロスをした後に口内がすっきりします。
3位:【ワックス有】Oral Care フロアフロス
商品情報
専門家による総評
- 歯と歯の間はもちろん、歯と歯ぐきの間(歯ぐきの中1〜2mm)にある歯垢も除去しやすいです。柔らかい「ポリエステル製」の糸を使用しています。デンタルフロスが歯間に入る際の摩擦を軽減しながらも、唾液によりデンタルフロスの繊維がフワッと広がるため、歯ぐきを傷つけず歯垢を除去することができます。
- 持ち運びに便利なコンパクトサイズで、お出かけ先でも使用しやすい、ケースを回転させて開閉できる構造になっています。ポーチやカバンに入れている間に金具が引っかからないのがうれしいですね。
- 歯の間だけでなく、歯ぐきのケアまでできるのがメリットですが、歯ぐきに入れる時に痛みが少ないため、ついつい力を入れ過ぎて歯ぐきを傷付けてしまう可能性があります。使用する際は、デンタルフロスを歯ぐきの内側に入れ過ぎないように注意しましょう。
プロの一言
編集部によるコメント
ごっそり取れる感を味わいたい人におすすめ。
4位:【ワックス無】ホワイトエッセンス クロルフロス50
商品情報
専門家による総評
- 使用前は平らな状態のため、歯と歯の間へ容易にデンタルフロスを入れられます。歯間に挿入後は、唾液や水分に反応して600本もの繊維がふわっと膨らみます。高密度のマイクロファイバーが使用されており、痛みはほとんど感じませんでした。
- 美しく白い歯を目指す人のためのサービスを展開し、全国271※の加盟院があるホワイトエッセンスが開発した商品だけに、しっかりした糸で使いやすいです。歯周病が気になる人や、糸巻きフロスを使ってみたいという人にもおすすめです。
- 歯間にデンタルフロスを入れる際に痛みを感じることはありませんでしたが、600本の繊維があるためか使用している間はすべりが悪く、ザラザラした感じがしました。また長時間デンタルフロスを使用していると、手に巻いている部分が水分により膨らんでしまうのが気になりました。
プロの一言
編集部によるコメント
かなりしっかりとした繊維の糸でワックスもないため、歯と歯の間に少し余裕がある人や、デンタルフロスに慣れている人、ごっそり取りたいという人に良さそうです。
※ 2023年9月末時点
5位:【ワックス有】Oral Care フロアフロス セイビング
商品情報
専門家による総評
- 固定式のブラケットを歯に装着している矯正治療中の人でも、装置の間にデンタルフロスを通しやすいです。また、デンタルフロスの先が細く硬いスレッダーになっているため、ブリッジ(被せ物)と歯ぐきの間の歯垢を取りやすいのも特徴です。
- デンタルフロスの繊維にふわっとした広がりがあります。そのため、矯正装置だけを清掃したい際にも使用しやすいです。
- 好きな長さだけ使用するロールタイプのデンタルフロスとは異なり、1回分の長さが決められています。デンタルフロスを本体から出す時は、先端の青色のフロスを目印にゆっくり引き抜きましょう。
プロの一言
編集部によるコメント
ブリッジ・インプラント・矯正などしていて、特別なケアが必要な人におすすめです。
6位:【ワックス無】クリニカアドバンテージデンタルフロスY字タイプ
商品情報
専門家による総評
- Y字型の柄のあるデンタルフロスで、初めてデンタルフロスを使用する人も扱いやすい商品です。奥歯まで片手で清掃することができるので、外出先でも手軽にデンタルフロスを使用できます。
- 握りやすく、動かしやすいクリニカ独自のハンドルが特徴。子どもからシニアまで、誰でも使用しやすい。また、青・ピンク・白の3種類のカラーバリエーションが1セットになっているため、色を変える楽しみもあります。
- 「洗って繰り返し使える高強度フロス」のようですが、何日にもわたり使用するのは困難です。歯と歯の間が狭い人は、強度がかかってホルダーから繊維が出てきて、長くなりぶよぶよしてしまうため、繰り返して使用すると歯垢を取りにくくなります。
プロの一言
編集部によるコメント
Y字型の柄が付いたフロスは奥歯に入れやすいので、子どもからシニアまで家族みんなで使えそうです。
7位:【ワックス無】ホワイトエッセンス フロスエフトリオ
商品情報
専門家による総評
- ホワイトエッセンス フロスエフトリオは約6cmとコンパクトなのが特徴です。またF字型ですが奥歯の清掃も快適に行え、持ち運びにも便利です。
- 3本の糸が使用されているため、汚れを絡め取りやすいです。
- 3本の糸に分かれているため、すべての糸を歯と歯の間にいれるには、鏡を見て清掃することが必要です。せっかく3本あっても、歯の間に2本しか糸が入らない場合、歯垢を十分に取れないかもしれません。
プロの一言
編集部によるコメント
糸が3本に分かれているデンタルフロスは珍しく、期待できますね。コンパクトサイズなので歯ブラシケースに収まりやすく、持ち歩き用に便利そうです。
8位:【ワックス有】ガム・デンタルフロス ワックス ふくらむタイプ
商品情報
専門家による総評
- 歯と歯の間にデンタルフロスを通すとフロスがふわっと膨らむため、歯垢が除去しやすい点がうれしいポイントです。歯ぐきのへの痛みや刺激もほとんど感じませんでした。
- 開閉がしやすいシンプルなパッケージが特徴です。パッケージの表側が透明になっておりデンタルフロスの量が分かるため、買い替えのタイミングを逃すことがありません。
- デンタルフロスが膨らんだ後は、使用中に糸が切れることがありました。歯ぐきにやさしいソフトな糸ですが、歯に引っかかって残ってしまうことがあります。
プロの一言
プロの一言
コンビニやドラッグストアでも手軽に手に入る商品なので、試しやすそうです。
9位:【ワックス有】クリニカ アドバンテージ なめらかスリムフロス
商品情報
専門家による総評
- ワックスが表面にコーティングされていることが、触って分かるぐらいです。また、平たい構造のため、歯と歯の間に抵抗なくスルッと通しやすいです。ロールタイプのデンタルフロスを初めて使用する人に向いています。
- パッケージを開けた瞬間からミントの香りがします。デンタルフロスで清掃した部分は、ミントフレーバーで爽やかになるため、清掃してない部分と清掃した部分を区別しやすいです。
- パッケージからデンタルフロスを取り出す際に、蓋がじゃまに感じました。蓋の大きさが小さく強度があるため、デンタルフロスを切り取る際は蓋を大きく開けて、指をカッターで傷付けないように気を付けましょう。
プロの一言
編集部によるコメント
私も使っています。歯と歯の間がとても狭いため、フラットタイプでワックスが付いているタイプは使いやすいです。初心者におすすめです。
10位:【ワックス無】オーラルB(Oral-B)スーパーフロス
商品情報
専門家による総評
- デンタルフロスを挿入しやすいように、スレッダーがついているのが特徴です。矯正装置やブリッジ(被せ物)の下、インプラントの清掃にも適しています。
- 1本が「スレッダー」「ふわふわフロス」「ノーマルフロス」の3部構造になっているため、1本ですべての歯を清掃できます。歯並びが悪い部分や被せ物などに合わせてデンタルフロスの種類を変える手間がありません。
- 箱に入っているため、持ち運びに不便です。外出先で使用したい人は、小さな袋などに小分けにして持ち運びましょう。
- 本数が多いうちはデンタルフロスを箱から取り出す際に、強く引っ張らないと取り出せませんでした。誤って使用しないデンタルフロスまで引き抜くこともあります。
プロの一言
編集部によるコメント
1本で3つの構造を持つフロスなので、歯並びや口内の状態が異なっても、家族みんなで使えそうです。
編集後記
本記事を担当した専門家より
デンタルフロスは、歯に付着する歯垢を効率よく除去するために必要なアイテムです。歯並びや被せ物の有無、歯ぐきの状態により使用しやすい商品は異なります。特に、デンタルフロスを初めて使用する人は、ワックス付きやホルダータイプを選択して最低1日1回は使用を続けましょう。デンタルフロスに慣れてきたら、持ち運びやすいロールタイプに変更して、食後の習慣にすると良いですよ。
本記事を担当した編集者より
デンタルフロスをいつも使っていると、食後にフロスをできない時には、歯に物が挟まっている感じがして、不快に思うことがあります。生活になくてはならない存在になっています。今までいろいろな種類を試してみましたが、商品によって使い心地が全く違います。いくつか試してみて、自分の好きな感触のものを探してみるのがおすすめです。
本記事を担当した企画者より
歯科衛生士の友達におすすめされて使い始めたのが「フロアフロス」。今回の特集でピックアップされていて、とっても嬉しかったです!歯の間にピッタリと吸着する感覚がクセになり、気づけばもう10年近くリピートしてました(笑)今までもいろんなフロスを使ってきましたが、私にはこれが一番です。
加藤さんのコメントのとおり、ブランドによって本当に使い心地が異なるので、ぜひ色々トライしてベストなものを探してみて欲しいです!
本記事の担当した責任者より
3ヶ月に一回の頻度で、歯医者で歯石除去のクリニーニングには通ってはいるのですが、自分で日々デンタルフロスを自分で使う習慣がありませんでした。タバコとコーヒー愛好家としては口臭も気になる年齢になってきたので、自宅で妻が使っている使い捨てのホルダータイプのものを使い始めました!
今回第2位に選ばれた、「ブラシモ」が個人的には一番気になります。綿棒も黒派の私にはブラックフロスというのは汚れが取れてる感がありそう。そしてロールタイプをおすすめされているので一度試すなら加藤さんおすすめのこちらの商品にチャレンジしてみようと思います。
Amazonにブラシモの紹介動画がありましたので、詳しくはこちらをぜひご覧ください!
編集長 より
小学生3年生と中学1年生の2人の息子がいるのですが、小3の次男は歯医者さんで歯磨きだけではなくデンタルフロスを使うことをすすめられて以来、クリニカのY字型 を使ってます。子どもでも比較的簡単に扱うことができるので、自分で夜フロスすることが習慣になりました。
一方、中学生の長男は、いま歯科矯正中なのでデンタルフロスは使えないものと思っていましたが、今回の記事で、Oral Care フロアフロス セイビング の存在を知り、一度試してみようと思いました!
デンタルフロスを使ったことがある男女111人に実施したアンケート記事 デンタルフロスの実態調査 もぜひご覧ください